【加筆】B08261_0402通知
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0402通知は、薬剤師の労働環境を変えたと位置付けられているほど大きなトピックです。一方で、0402通知とは何か、実はあまり把握していない方も多いようです。そこでこの記事では、0402通知とは何を意味するものなのかだけではなく、0402通知によって薬剤師の役割とその労働環境にどのような変化がみられたのかを紹介します。2025年に改めて0402通知を深く知りたい方はぜひご覧ください。
まず0402通知とは
0402通知とは、2019年の4月2日の厚生労働省から通知されたことから「0402通知」と呼ばれています。
その内容は、「調剤業務の在り方について」です。それまで調剤業務は基本的に薬剤師のみが行えるものでした。例外は医師が直接関わる場合のみ。この点は法律で定められており、仮に薬剤師以外が調剤業務を行った場合、「違法」となります。
そのため、薬局は調剤業務のために薬剤師を多く抱えなければなりませんでした。しかし、0402通知により、変化が見えようとしています。
※参照元:厚生労働省「調剤業務のあり方について」
(https://www.mhlw.go.jp/content/000498352.pdf)
0402通知で薬剤師の役割はどう変わったのか
0402通知前まで、薬剤師のお仕事は「薬を正確に渡すこと」ことでした。対物業務と呼ばれるように、あくまでも薬の知識を駆使し、正しい薬を渡すことが薬剤師のお仕事として規定されていましたが、0402通知によって服薬指導・患者の生活背景理解・服薬フォローが求められるようになりました。
薬の知識が必要な点は変わりませんが、薬の正しい知識をもとに「患者に向き合うこと」が求められるようになりました。「薬を渡す人」から「薬を通じて患者を支える人」へと役割が変化したことが、0402通知による最大のポイントです。
さらに「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の制度が創設されたことにより、薬局は「どこでも同じ」ではなくそれぞれ個別に役割を持ち、地域に貢献することが求められるようになりました。さらには医師・看護師など他職種と連携して、患者を「チーム」で支えることも盛り込まれました。
それまで薬剤師はあくまでも「処方箋に基づいた薬を出す」ことがお仕事でしたが、0402通知以降は、処方箋に疑問が残る場合には医師と連携・情報共有を行うなど、「患者主役」の医療を提供する一員に位置づけられることとなりました。
薬剤師の対人業務について
0402通知以降、薬剤師は対人業務が求められることになりました。それまでのように「薬を渡すだけ」ではなく医療関係者として「患者と向き合うこと」が必要です。そこで実際に0402通知以降に生まれた薬剤師の対人業務について解説します。0402通知以降の薬剤師は、下記の業務のスキルも求められるようになります。
服薬指導/薬歴管理
服薬指導・薬歴管理は0402通知以降の薬剤師の大切なお仕事です。薬を渡すだけではなく、正しい服用法の指導や患者毎に処方した薬を管理し、適切に薬を服薬するよう導くことが求められます。
これまでのように「渡して終わり」ではなく、患者が正しく服用しているのか、併用禁忌薬は含まれていないのかなど、「患者主役」の服薬指導・薬歴管理が求められています。
服薬フォロー
服薬フォローとは「継続的な支援」を意味します。薬を渡して終わりではなく、飲み忘れは無いのか、副作用は発生していないのかなど、服薬のモチベーションを低下させないためのフォローが求められます。
服薬フォローも評価対象となっているように、薬剤師の仕事として位置付けられています。この点は患者の価値観によってフォローの形が変わることから、患者と真摯に向き合うことが求められます。
在宅対応
これまでの薬剤師の業務はあくまでも「調剤薬局内」でした。しかし0402通知以降は患者のケアが求められることになりました。そのため、自宅や施設で療養している患者に対して、薬を届けたり、管理したり、服薬を見守ったりすることも求められます。
特に高齢化が進む中では、地域医療における「薬の専門家」としての存在感が高まっており、医師・看護師・ケアマネと連携することで、チーム医療の一員として患者と向き合うことが求められます。
2025年からの薬剤師は患者と向き合うための環境づくりが大切
0402通知以降、薬剤師は「薬のスペシャリストとして患者と向き合うこと」が求められます。多剤併用、相互作用、最新の薬、疾患に応じた薬物療法の知識を大前提に、どのように使用するのか患者に合わせてフォロー・サポートすることになります。
そのため、患者との信頼関係が重要になることから、薬の知識はもはや「大前提」です。処方においてミスは許されません。むしろこれからの薬剤師にはコミュニケーション力が求められます。患者と向き合い「聴く力」「共感力」にて患者に「この薬剤師に自分のことを相談したい」と思われることが大切です。
処方など薬の業務に関してはピッキング監査システム(監査システム)などを導入して正確性向上と負担軽減を行いつつ、患者と真摯に向き合うために、医師や看護師、ケアマネ、栄養士など他の医療関係者と「チーム」で患者を支える立場であることを自覚する必要があります。その際、LINEやアプリなどデジタルツールを活用することでより効率的な業務遂行が実現します。