調剤過誤の防止・対策

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どれだけ気を付けていても調剤過誤のミスは出てしまうものですが、調剤過誤を少なくするための環境づくりは大切です。また、もしもですが調剤過誤が起きてしまった場合にはどうするのか。その点についてもみてみるとしましょう。

すぐできる調剤過誤対策

整理整頓

基本的なことですが、整理整頓は重要です。
調剤過誤とは調剤を間違えてしまうこと。誰もが間違えようと思って間違える訳ではありません。
調剤スペースが乱雑であれば、間違えてしまうリスクは高まります。まずは基本的なこととして、調剤スペース周辺、さらには調剤で利用する物を整理整頓しておきましょう。

ヒヤリハットの報告を都度行う

「ヒヤリ」「ハッ」としたことはその都度報告しておきましょう。
患者に直接的な被害が出なかった場合に於いても、報告することで問題意識が共有されたり、「その問題が起きないためにどうするのか」の問題提起にも繋がります。

調剤過誤の情報・事例をこまめに共有する

調剤過誤の情報や事例は、例え自局のものではなくともこまめに情報を共有することも大切です。他の薬剤師が起こしてしまった調剤過誤は、決して他人事ではありません。注意喚起を行うことでミスを未然に防ぐことにもつながります。その点について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

実際にどんな調剤過誤が起きている?
事例をこちらで紹介しています

間違えやすい医薬品棚に注意喚起

調剤は間違えやすいものがあります。そこで、間違えやすい医薬品棚に注意喚起をしておくだけでも十分な対策になります。
いつもとは違う注意喚起があれば、より意識して調剤を行いますので、調剤過誤リスクの軽減にもつながることでしょう。

薬局が行っている調剤過誤防止策の例

患者の履歴を確認する

患者の年齢や服用している薬などの履歴を確認します。履歴確認には、以下のようなものが挙げられます。

  • 年齢
  • 体重
  • 食生活の状態
  • 今まで服用してきた薬
  • 現在服用している薬
  • アレルギー・副作用歴
  • 服用後の体の状態 など

履歴確認は「処方する薬が患者の体に合うか」「薬の量は適正か」などの判断に役立つため、過誤防止につながります。

確認は声を出して行う

声を出しての確認は、初期段階のミス防止につながる重要事項です。なぜなら、似ている薬の名前も多くあるからです。たとえば、頭痛の際に処方されることが多い「ロキソプロフェン」と「イブプロフェン」。見慣れてくると、「プロフェン」という文字だけで間違って処方してしまう可能性も否定できません。声に出すことで、「あっ、こっちではない」と気づくこともできます。薬を集める時や袋に入れる時、声に出しながら行いましょう。

再度確認する

ひとりの薬剤師だけでなく、他の薬剤師にも確認してもらうことも大切です。調剤過誤は、患者にとって危険なものであり、本来あってはならないものです。確認作業は何度しても問題ありません。複数人の目で見ることで小さなミス防止にもつながります。

患者とともに確認する

患者とともに確認するのも有効です。薬の服用による体の症状は、患者本人が1番感じています。一緒に確認することで、「この薬を飲むと、なんとなく胃腸の調子が悪くなる」「体がだるくなる」といった声を聞くことができますね。体調や薬の履歴についてコミュニケーションも図れるため、調剤過誤の可能性を未然に防ぐことができます。

バーコード調剤過誤防止システムを活用する

処方箋のデータと医薬品が合っているかを照合するシステムを活用しましょう。「人為的なミスを絶対しない」とはいい切れません。システムを活用すれば、万が一、取り間違いがあった場合、警報音と振動で知らせてくれるため、誤って患者に処方するリスクを減らすことができます。

方法も難しいものではなく、薬の棚にすべてバーコードをつけ医薬品を取り出す際に、ハンディターミナルでバーコードを読み取るだけです。システムによっては独自のカスタマイズができるものもあるようです。

視覚に訴える工夫をする

視覚に訴える工夫も重要です。「百聞は一見に如かず」ともいいますが、視覚から入る情報は大きいもの。たとえば大きな文字と小さな文字とでは、大きな文字の方が目立って見えますよね。白色より赤色が目立つでしょう。薬の取り間違いで1番多いとされているのが、「同じ種類の規格間違い」と「似ている名前の医薬品」です。

間違いやすい医薬品には目立つラベルを貼ったり、ラベルを色分けしたりと工夫し、未然に防ぎましょう。

※参照元:クオール薬局
(https://www.qol-net.co.jp/know/dispensing_error.html)

定期的に勉強会に参加する

注文を受けてから「こんな商品があるんだ」と知るのは準備不足と言われても仕方がありません。また、薬剤師は正確性が求められます。そのため、たとえベテランであっても、しっかりと共通認識をもつことが必要不可欠です。定期的に医薬品メーカーや商社を招いて講義を受けることも、防止策のひとつといえるのではないでしょうか。

※参照元:サンライフコミュニティー
(http://www.sunlifecommunity.co.jp/patient/prevention/)

カメラ監査指導システムを実施する

過誤防止対策や複数人の薬剤師が確認する体制づくりの確立に向け、カメラ監査システムを導入する薬局が増えてきているようです。カメラ監査指導システムでは、薬剤師の上級指導者や本部調剤マネージャーがテレビカメラを通して、処方箋チェックから調剤監査・服薬指導に関するアドバイスまで現場の薬剤師に指導します。

店舗によっては、ひとりで業務をこなさなければならない場合もあるでしょう。このシステムを導入することで、どんな状況下でも複数の薬剤師の目で薬を確認することができます。

※参照元:サンドラッグ
(https://www.sundrug.co.jp/sundrugpharmacy/effort/characteristic2.html)

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抜本的な調剤過誤対策を検討するなら

システムの導入

環境そのものを変えるという点ではシステムの導入も良いでしょう。
デジタルの力を最大限に活用することで薬剤師のアナログ作業の負担を軽減し、ミスの低下に繋がります。

おすすめの調剤監査システムをチェック

調剤過誤が発生してしまった場合…

発生直後の対応

もしも調剤過誤が起きてしまった場合、患者の特定や薬を使う前なのか・使った後なのか、使っている場合はどの薬をどれくらい、いつ使ったのか。そして、使用したことで何が起きたのかを確認し、記録に取りましょう。さらには他の患者に拡大しないよう情報提供を行い、処方医に連絡。これらが初動対応となります。
その後、情報の確認を行いましょう。

調剤過誤による損害賠償・慰謝料の扱い

もしもですが、調剤過誤を起こしてしまった場合、損害賠償や慰謝料が発生するケースもあります。その場合の扱いについてを解説していますので、こちらで確認しておきましょう。確認することで、調剤過誤はどのような環境・事情であれ起こさないことが重要であることが分かるはずです。

調剤過誤を起こしたときの慰謝料は?
具体的な例をこちらで紹介しています

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