薬局経営で重要な人材募集。どんな方法がある?
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薬局経営に重要なポイントのひとつは、人材です。優秀な薬剤師が採用できれば、仕事が上手く回るでしょう。スムーズに優秀な薬剤師を採用したいのが薬局経営では課題のひとつになりがちです。ここでは、人材募集のポイントをまとめました。
人材募集の方法
薬剤師の人材募集には、複数の方法があります。無料で利用できるものや広告費が必要なもの、自社で運営するものなど、求人方法によって特徴があるので、自社に合う求人方法を選択してください。求人方法を紹介します。
ハローワーク
ハローワークで求人情報を開示できます。ハローワークは、国が運営している職業紹介事業です。公共職業安定所とも言われています。就職困難者のサポートの役割も担っているのが特徴です。
求人を出す側と求職者の双方が無料で利用できます。求人に費用がかからない上に、助成金や給付金などのメリットがあることも。面接日程の調整などもハローワークが仲介してくれるので便利です。ただし、ハローワークが仲介してくれた場合、事前に応募者とのやりとりができず、電話対応力などが分からないのはデメリットかもしれません。
求人誌
紙媒体の求人誌もまだ有効な求人方法です。TOWN WORKなどのフリーペーパーをはじめ、求人誌は複数媒体あります。
掲載費用がかかるのがデメリット。費用は原稿サイズや掲載期間によって決まります。場合によっては月数百万円になることもあるので、予算と相談して掲載計画を立てる必要があるでしょう。採用に至らない場合でも掲載費用はかかります。地域に特化しているため、通勤圏内の人材に狙ってアプローチ可能です。
求人サイト
WEB上の求人サイトに求人広告を掲載する方法もあります。マイナビ・リクナビ・Indeedなどが有名な求人サイトです。WEB求人サイトは、掲載に費用がかかる料金システムと採用が決定したときに費用が発生する成功報酬のシステムがあります。
紙媒体のように広告枠に制限がないので、多くの情報を掲載することが可能です。職場の雰囲気やアピールポイントなどを写真で伝えられます。求職者から見ても応募しやすいのが大きな特徴と言えるでしょう。
自社ホームページ
自社のホームページで求人ページを作成して求人情報を発信する方法も一般的です。就職したい企業が明確な求職者は、その企業のホームページを閲覧します。また、検索ワードで上手く上位表示できれば、インターネットで求人情報を探している人にも見つけてもらえるかもしれません。
自社ホームページのメリットは、会社の雰囲気や理念、お客様への姿勢などを伝えやすいことと求人広告掲載費用がかからないことです。しかし、求職者に見つけてもらうためには、ネット集客に対する知識がないと難しいでしょう。
各種SNSメディア
自社で運用しているSNSを利用して採用活動している企業もあります。フォロワーは会社に興味がある人なので、効率が良い求人方法かもしれません。日頃から会社の情報は発信されているので、会社の特徴を理解した上で応募してもらえます。SNSでコミュニケーションをとるので、面談前に人柄を予想できるのもメリットです。
SNSは情報がすぐに埋もれてしまうので、一度発信しただけでは情報が伝わらない可能性があります。そもそもフォロワーがあまりいなければ求人情報を発信しても拡散しません。また、SNSは地域に絞れないというデメリットがあります。
人材紹介会社
転職エージェントやキャリアコンサルタントなどの人材紹介会社に依頼して、人材を紹介してもらうこともできます。欲しい人物像や条件を伝えるとその条件に合う人材を探してくれるので、自社で求人に悩む必要がありません。
人材紹介会社は、紹介された人材を採用した場合に紹介手数料を支払います。採用した人の年収20%から35%が手数料相場です。欲しい人材を手間なく採用できる代わりにコストがかかります。
人材派遣
人材派遣会社を介して人材を確保する方法です。正規雇用ではなく非正規雇用を考えている場合はメリットが大きいでしょう。報酬は時給計算です。実労働時間に対して報酬を支払いますが、社会保険料などは人材派遣会社が負担します。派遣先が支払った時給が派遣スタッフにそのまま支払われるわけではありません。派遣スタッフに提示されている時給と会社が支払う時給には差があります。正規採用したい場合は、一定期間経過後に正規雇用に移行できる紹介予定派遣の活用もおすすめです。
合同説明会
転職フェアや合同会社説明会なども人材募集方法のひとつ。イベントに出展する形での募集です。出展にあたっては1日50万円など費用がかかります。「ブースに多く人を集められる見込みがある」「一度に多くの人材を確保したい」など、採算が取れる見込みがあれば活用してみると良いでしょう。自社が人材を募集しているタイミングでイベントが行われているとは限りません。他の方法と比較して、費用やタイミングなど、ハードルはやや高めと言えそうです。
縁故採用
意外と効率良く採用につながる募集方法が縁故採用です。既存スタッフなどの知人など、ご縁をつないで人材を紹介してもらう方法。会社を熟知している人が口コミで募集してくれることから、大きな認識のズレが発生しないのがメリットです。
ただし、書類選考や面接が甘くなりやすいことから、適性判断を誤ってしまったり、断りにくかったりという問題が発生する可能性はあります。縁故採用といえども、きちんと人柄・能力を確かめてから冷静に採否を決定することが大切です。
新卒採用
社会人経験がない人材を学校の卒業のタイミングで採用するのが新卒採用。一般的に同じタイミングでまとまった人数を募集できます。他での経験がないので、即戦力にはなりませんが、自社の仕事の仕方や社風などにすぐ適応してもらえるのはメリットです。
新卒採用が上手くいくかどうかは、入社後の教育体制にかかっていると言えるでしょう。社会人経験がない人材を育てる仕組みを構築できる場合は、有力な人材募集方法のひとつになります。
薬剤師の採用をスムーズに進めるためのポイント
競合分析
良い人材を採用するためには、良い人材に応募してもらわなければいけません。そのためには、競合分析が重要です。募集しているエリア内で競合になりそうな企業の人材募集情報をチェックしてみましょう。特にチェックしたいのは採用条件です。他社より給与が低ければ応募は集まりません。逆に他社との違いが明確かつ魅力的であれば、優秀な薬剤師からの応募が期待できます。
自社の強みを把握する
競合分析をすると、自社の特徴も明確になります。事業内容や社風、就労条件などで、自社特有の強みをアピールしましょう。エリア内の動向を見れば、求職者が求めているニーズも見えてきます。求職者のニーズとマッチする強みを把握して、求人情報に提示すれば、良い人材が集まってくるでしょう。
求人票の内容
求人票の内容を充実させることも重要ポイントです。求人票には、給与や有給休暇などの待遇、就業場所、事業内容などの概要を記載します。こうした会社の概要に加えて、職場の雰囲気などを記載してみてください。情報が多いほど、求職者にとっては安心感が高まりやすいでしょう。情報が多いほど、求める人材が集まりやすいです。
働きやすい環境
薬剤師が転職のときに重視するポイントは労働環境です。働きやすい環境を整えることで、優秀な薬剤師からの応募が期待できます。薬剤師は、求人も多いため、上司との人間関係に問題があったり休みが取りにくかったり職場環境が悪いと辞めてしまう傾向が強いです。せっかく採用してもすぐに辞めてしまえばまた募集しなければいけません。人材の採用対策と同時に、長く働いてもらえる環境づくりに取り組むことが大切です。