スマホ対応の調剤監査システム
調剤薬局の調剤過誤防止や作業スピード向上において、スマートフォンやタブレットを活用した調剤監査システムが注目を集めています。高額な専用機器や設置スペースを必要とせず、手軽に導入できるスマホ型システムは、小規模薬局から大型店舗まで幅広く選ばれるようになりました。この記事では、スマホ対応の調剤監査システムの仕組みや導入メリット、選定ポイントからおすすめ製品6選まで分かりやすく解説します。
スマホ・タブレット型調剤監査システムの仕組みと基本機能
スマホ・タブレット型調剤監査システムとは、iOS(iPhone/iPad)やAndroidなどのモバイル端末に専用アプリをインストールし、端末のカメラ機能や小型バーコードスキャナを用いて薬品の照合を行うシステムです。
従来の専用機材(監査レンジ等)を使用するシステムとの違い
従来の大型据え置き型システムや監査レンジなどは、調剤台のスペースを大きく占有し、専用機器の導入費や工事費が高額になりがちでした。
一方でスマホ・タブレット型は、持ち運び可能なモバイル端末とクラウド環境を活用して構築されます。調剤室の省スペース化を実現できるうえ、初期導入コストや保守費用を大幅に抑えることが可能です。
スマートフォンやタブレットのカメラ・アプリを活用した監査の流れ
スマホ型調剤監査システムでの基本的な作業フローは以下の通りです。
- 1. 端末画面でレセコンから取り込んだ処方データを呼び出す
- 2. 薬品棚で薬品を取り出す際、スマホのカメラやスキャナでGS1バーコードを読み取る
- 3. 万が一、薬品の違いや規格間違いがあれば画面表示や警告音で即座にお知らせ
- 4. ピッキング完了後、集薬した薬剤をスマホカメラで撮影し、エビデンス画像として保存する
このように、日常的に使い慣れたスマートフォン感覚で直感的に操作できるため、スタッフへの操作教育の手間も最小限に抑えられます。
調剤監査システムをスマホ対応にする3つのメリット
調剤監査システムをスマホ・タブレット対応にする主なメリットを3つ解説します。
初期費用・月額コストの削減と省スペース化の実現
スマホ対応システムは、高額な専用ハードウェアを購入する必要がありません。普段使用しているスマートフォンや市販のタブレットをそのまま利用できるため、導入初期費用やランニングコストを低く抑えられます。また、機器を設置するデッドスペースが生まれず、調剤台を広々と活用できます。
薬局内での持ち運びやすさと複数人での同時監査
ハンディサイズの端末は手軽に持ち運べるため、調剤棚の前まで移動してその場でピッキング&過誤チェックを行えます。さらに、契約数やアプリの仕様に応じて複数台の端末を同時に稼働させられる製品も多く、混雑時でもスタッフ全員で分担しながらスピーディーに調剤業務を進められます。
カメラ撮影によるエビデンス(監査記録)の保存が簡単
監査時に処方薬をカメラで撮影するだけで、患者情報や処方データと自動で紐づけられて保存されます。
患者様からの「お薬の種類や数が違う」といった後日の問合せに対しても、保存された画像(エビデンス)を即座に確認して正確な回答が行えるため、患者様との信頼関係維持やトラブル防止に役立ちます。
スマホ対応の調剤監査システムを選ぶ際の比較ポイント
スマホ対応調剤監査システムを比較・検討する際にチェックすべき3つのポイントを紹介します。
レセコンや電子薬歴システムとの連携のしやすさ
導入しているレセコンや電子薬歴システムと処方データがスムーズかつリアルタイムに連携できるか確認しましょう。データ連動がスムーズであれば、処方入力からピッキング監査までのタイムラグがなくなり、調剤フロー全体の効率が向上します。
モバイル端末の読み取り精度(バーコード・画像認識)と速度
調剤スピードを落とさないためには、バーコードやGS1コードのスキャン感度とレスポンスの速さが極めて重要です。また、画像認識機能や複数薬品の一括読み取り(マルチスキャン)機能など、自薬局のピッキングスタイルに合った読み取り精度を備えているかを比較しましょう。
セキュリティ対策とトラブル時のサポート体制
患者様の処方データを扱うため、通信データの暗号化やクラウド上のセキュリティ対策が厳重であるかは不可欠です。あわせて、万が一の端末故障やシステム障害の際に、迅速に対応してくれる電話・オンラインサポート体制や代用機の貸出対応があるかも事前に確認しておきましょう。
おすすめのスマホ・タブレット対応調剤監査システム
ここからは、スマホ・タブレットに対応したおすすめの調剤監査システム6選を詳しく紹介します。
PICKING GO(株式会社アサイクル)

https://cp.pickinggo.pdszero.com/
アサイクル社が提供する「PICKING GO」は、iPhoneやiPadのカメラでバーコードをスキャンし、即座に正誤判定ができる調剤監査システムです。棚位置の案内ナビや必要数量の計算アシスト、調剤記録の画像保存など多彩な機能を搭載。複数端末で同一の処方箋を分担ピッキングできるため、過誤防止と大幅な時間短縮を同時に実現します。
EveryPick(株式会社ファルモ)

https://everypick.pharumo.jp/
ファルモ社が提供する「EveryPick(エブリピック)」は、iOS端末にアプリを入れて導入するクラウド型ピッキング監査システムです。カメラを用いた誤調剤防止機能に加え、複数薬品を一瞬でスキャンする機能や画像保存、予製剤・先調剤対応などを標準装備。スマホの持ちやすさと多機能性を両立した使い勝手の良さが魅力です。
missnon(株式会社ダイアメディカルネット)

https://www.medinavi.co.jp/system/missnon/index.html
メディナビ社(ダイアメディカルネット)の「missnon s(ミスノン)」は、iPhoneをコンパクトな監査端末として活用するクラウド型システムです。患者情報と紐づいた画像記録や先行調剤、棚卸に対応。電子天秤とワイヤレス連動して散剤・液剤の秤量監査も行えるため、錠剤にとどまらない調剤業務全般の過誤防止を強力に支援します。
Meding.鑑査MC(株式会社メディング)

https://www.meding.co.jp/
メディング社が手掛ける「Meding.鑑査MC」は、AndroidスマートフォンをWi-Fi接続して運用する監査システムです。バーコード照合によるミス防止や先行調剤、複数人での同時作業に対応。監査時の画像を自動保存し、PDF出力による帳票記録も行えるため、調剤過誤の防止だけでなく監査データの保管・履歴管理までスムーズに行えます。
GOHL Picking(株式会社シンク)

http://www.think-com.co.jp/products/gohlpicking.html
シンク社の「GOHL Picking」は、タブレットと小型バーコードスキャナを組み合わせて運用するピッキング支援システムです。スキャンによる薬種照合やエビデンス画像の保存、先行調剤に対応。複数のタブレット同士を連携させてスタッフ間で効率的に作業分担できるため、安全性を確保しながら調剤スピードを飛躍的に向上させます。
Pharmy(株式会社モイネットシステム)

https://www.moinetsystem.com/system/picking/
モイネットシステム社の「調剤システム ファーミー(Pharmy)」は、モバイルタブレットとスキャナを用いてピッキング監査を行うシステムです。バーコードでの薬種チェックや画像保存、先行調剤が可能。レセコンや電子薬歴と一体となったシステム設計のため、各種帳票出力を含めた薬局内の総合的な業務効率化を図ることができます。
スマホ型システム導入時の注意点・デメリット
スマホ対応調剤監査システムを導入する際に留意しておくべき注意点や懸念点について解説します。
Wi-Fi環境など薬局内の通信インフラ整備が必要
スマホやタブレットでクラウドやサーバーと通信し、リアルタイムに照合を行うため、調剤室内をくまなく網羅する安定したWi-Fi環境が欠かせません。電波が届きにくい遮蔽物や死角があると、データの読み取り遅延やエラーが発生する恐れがあるため、導入前の電波確認やアクセスポイントの増設が必要です。
スマートフォン・タブレット端末の準備とバッテリー管理の手間
既存端末を使用しない場合は、必要台数分のスマホやタブレットの購入・レンタル手配が必要です。また、業務中にバッテリー切れを起こさないよう、専用充電台の設置や業務終了後の充電管理など運用ルールの徹底が求められます。
まとめ
スマートフォンやタブレットを活用した調剤監査システムは、高額な設備投資を必要とせず、「低コスト」「省スペース」「高い機動性」を備えた非常に有効なシステムです。調剤ミスのゼロ化はもちろん、投薬後のトラブルを防ぐエビデンス保存や業務効率化に大きな効果をもたらします。
自薬局の運用環境や現在お使いのレセコンとの相性を考慮し、最適なスマホ型調剤監査システムを選択・導入して調剤業務の質を高めましょう。